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私の友人に伊藤さんという方がいた。
52才の時にドクターからガン告知を受け余命2年と宣告された。 55才でお亡くなりになるまでの3年間、事業を継続しながら休日には老人ホームを訪問し、1人で司会をし得意な手品を披露し、大好きなカラオケの歌で皆さんを喜ばせた。
伊藤さんの葬儀の後奥様よりテープが送られてきた。
手紙と一緒に1枚の歌詞カードが入っておりよくみると亡くなられた伊藤さんご自身の作詞でタイトルは「ありがとう」であった。
奥様にとっては最高の遺書だと私は思った。
1番 止まぬ雨なぞ 降るわけ無いが 晴れずに終わった 空(むな)しさよ 百の寿命(いのち)を 五十に縮め 先に飛び立つ 難病鳥(やまいどり) 憎い運命(さだめ) ありがとう かあさん 許してくれよ 先に旅立つ(ゆく)
2番 此の世の運命(さだめ)を 急ぎ足 男の舞台の 引き際に おまえと暮した 嬉しさと 友の友情(なさけ)を 手土産に これが運命(さだめ) ありがとう かあさん 幸せくれて ありがとう
3番 今度此の世に 生きたならば 病苦(くろう)荒波 被(かぶ)らずに 夫婦(ふたり)の命火 明赤(あかあか)と 消してたまるか 次の世は 見える運命(さだめ) ありがとう かあさん 俺にはすぎてる 恋女房
伊藤さんはいつもこの曲を老人ホームで一番最後に歌っていた。
現在は奥様が事業を引き継ぎ以前にもまして繁栄している。
まるで伊藤さんが天国から後押ししているかのように・・・・・・・。
代表
河村 貴雄