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「勘定合って銭足らず」という云いまわしは昔からよく使われている。
損益計算書(期間損益)上は利益が出ていても、利益に見合うキャッシュ(現預金)が手許に残っていないという意味である。
会計理論上の利益と手許資金(キャッシュ)には実務上、差異が生ずることはよくある。
たとえば商品を販売して、まだ代金を回収していない場合、損益計算書上、売上は計上され利益も確定するが、手許には現預金はないのである。
逆に商品を仕入れて代金を1ヶ月先まで支払わなければ、仕入という費用が発生して利益は減少するが、支払いまでの1ヶ月間、現預金は手許に残っている。
これらの現預金を明らかにした一覧表をキャッシュフロー計算書という。
貸借対照表と損益計算書だけでは読み取ることができないキャッシュの増減を表したものである。
ここでいうキャッシュは現金、当座、普通預金であり、定期預金、定期積金等は含まない。
キャッシュフロー計算書は3つの活動によりなりたつ。
Ⅰ営業活動によるキャッシュフロー
本来の営業活動から獲得したキャッシュ(当期利益+減価償却費)は前述し
た売掛金・買掛金等によっても増減する。
Ⅱ投資活動によるキャッシュフロー
固定資産を購入するか売却するかで、また定期預金をするか取崩すかで
キャッシュは増減する。
Ⅲ財務活動によるキャッシュフロー
借入をするか借入金を返済するかで手許キャッシュが増減する。
このように損益計算書ではつかめないキャッシュの流れを把握しておくことは経営上、不可欠である。
上場企業は財務局へキャッシュフロー計算書の提出が義務づけられている。
河村 貴雄