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経営に衆知を集める、これは故.松下幸之助氏が折に触れ発した言葉である。
判断に誤りなく事を進めてゆくためには、トップが出来る限り人の意見を聞くことが大切である。
一人の知恵は衆知には及ばず、人の意見を聞かない指導者はともすれば独断に陥り、判断を誤りやすい。
とある東京の製造メーカーの営業が、大きな注文を受注できそうになり、営業も詰めの段階まで来ていた。
ところが工場は生産工程がぎっしり詰まっていて、新規受注の指定の期日までに納入する目処が立たない。
その注文の話を聞いた工場長は、受注は到底無理では、と思った。
そこでこの工場長は部下に強制的な突貫作業をさせるのではなく、まず社員全員にいきさつを説明し、この受注分が無事納入できたら社員にとっても会社にとっても非常に意義がある、と熱心に説いた。
受注して納期に間に合わせるにはどうしたらいいのか、また人員配置や作業時間をどう調整したらいいのかと部下たちに質問をしたところ、その問いに対し部下たちは次々とアイデアをだし、会社はこの注文を引き受けるべきだと主張した。
その結果、社員たちは一丸となって働き、納期を見事に守った。
トップは企業経営において、その企業の衆知を集め、自社と他社の人々の調和ある繁栄、平和、幸福の実現に寄与貢献していかなくてはならない。
河村 貴雄