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私が尊敬するA社長は実によく部下にものを尋ねていた。
必ず前傾姿勢になり相手の目をみてうなずき、部下に話をさせた。
そして自分があまり詳しくないことはちゅうちょなく尋ねた。
その単純なことが絶大なる効果を発揮した。
A社長は部下と話をする時、決して否定的なことは言わなかった。
「それはなかなかいい考えだ」、「きみの話は面白いな」、「そういう考え方もありだな」と感心した様子を示した。
部下はほめられると自分は信頼されているのだと喜びを感じますますどんな情報も上司に持ってゆこうとした。
部下はますますやる気になり、仕事にかかわる勉強もするようになった。
勉強せよと命令することも時には必要だが、もっと大切なことは部下に自ら勉強しようという気持ちにさせることである。
さらに進化すると部下は様々な提案をしてくるようになる。
もちろんその提案を採用する時もあれば採用しない時もある。
大切なことは提案を持ってくるその誠意と勇気を認めてやることである。
一方、人にものを尋ねるということは自分が馬鹿にされるのではないかという考え方もあるがむしろ尊敬されることの方が多いようだ。
部下を理路整然と説得すれば自分は気分が良いかもしれないが言われる方はウンザリして心はむしろ離れていってしまうものである。
自分が話を聞きたいのだという姿勢を見せれば部下はどんどん情報を持ってきてくれ、やる気も出し勉強もするようになる。
またそういった環境づくりをしてゆくことが肝心である。
衆知を集める秘訣は尋ねることからスタートするのかもしれない。
河村 貴雄