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ある有名な話であるが、トヨタの元副社長、大野耐一氏がある日、設備投資の予算書を見た時、部下に「この予算は1桁多い、ゼロを1つ取って考えろ」と仰ったそうだ。
桁が一つ違うということは発想から仕事のやり方まで根本的に違ってくることになる。
そうなると安易には下請業者にも依頼できなくなる。
それでも成果をあげるには最終手段として知恵に頼る以外ないのである。
トヨタの口グセに「改善は知恵とお金の総和である」とある。
つまりお金を絞れば必然的に知恵を出さざるを得なくなる。
知恵と云っても中途半端な考えではとてもかなうものではない。
徹底的に考えに考え抜くことが必要だ。
その為に上司は部下に細部にわたって「なぜ」「なぜ」と繰返し質問し、「知恵の出し方」を導き示す方法を授けている。
トヨタの凄さはやり続ける点にある。
どんな企業も創業時にはある程度創意工夫し知恵を出し、頑張ることができる。
しかし長く継続することは難しい。
トヨタは時価総額が35兆円を超えても、まだ改善をやり続けている。
そのことにより世界の各メーカー間で、「カイゼン」という言葉が国際共通語になってしまったことは衆知のとおりである。
少なくとも「カイゼン」が常識はずれの目標からスタートしたことは間違いないといえる。
河村 貴雄