カテゴリー:ブログ
常居其全、じょうきょきぜんと読む。
漢文読みすると「其の全に常に居る」となる。
わかりやすい言葉に置き換えると「その時、その場で全力を尽す」という意味である。
昔、南岳和尚という方がいた。
この和尚さんは衣を一日に十数回着替える。
それが尊い、外へ出かける時には、きちんと衣をつけ袈裟をつける。
帰ってきて境内で草を刈る時は作業着に着替える。
衣を替えることによって心を変える、その時、その場で全力を尽す為。
作業着でお経をあげても、中途半端なお経しかあがらない。
また、商談をする時、時計を気にし過ぎるようでは駄目である。
相手の目をしっかり見て、聞くべきはしっかり聞き、質問すべきはしっかりと質問し言うべきはしっかり言って「あっ時間だ」と言ってあっさり席を立つ。
これが活人剣、スパッと打ち切る。
ズルズルと引きずられないことが大切。
5人の敵と対峙したとしよう、どんな空手の有段者であっても漫然と立ち向かってはやられてしまう。
ではどうするか、5人のうちの一人に集中してその一人を確実に倒す。
その瞬間他の4人の敵のことは忘れる。
仕事も同じで、あれもやらなくちゃいかん、これもやらなくちゃいかんと思っているうちは、一つも片付かない。
今、目の前にある1つの事に全身全霊でぶつかる。おのずと後の優先順位が自動的に決まるもの。
これも常居其全。
河村 貴雄