東京ディズニーランドは毎年多くの人々が訪れる。

 

繁栄の裏にはいろいろな要因があるが、その中の一つは園内がきれいだということだ。

 

ディズニーランドのマニュアルに園内を赤ちゃんがハイハイしてもいいように清掃しなさいとある。

 

我が家の子供達が小さい頃、園内で食べていたポップコーンが強風に袋ごと飛ばされ、そこらあたりに散乱したことがあった。

 

その時、どこからともなく白い制服を身にまとった若いスタッフ達が現われ柄の長い箒でさっさっさとみごとにポップコーンを片づけていった。

 

その動きは見ている人達を楽しませる可成訓練されたパフォーマンスでもあった。

 

また、ディズニーランドでは従業員の人達をキャストと呼び、働く場所のすべて（バックヤードも含めて）をステージといっている。

 

客が帰った後、夜の園内で清掃が始まると、便器の１つ１つに名前をつけ「太郎、きょうも一日お疲れさん」と語りかけながら、寒い冬の日でも若いキャストは自信とプライドを持ってお客様に喜んで頂く為に陰(かげ)の働きに取り組んでいる。

 

ゲストも誰も見ていないステージでキャストが最高に演じきっているのだ。

 

リピーターの心を動かす原点がそんなところにもあると思われる。 

 

河村　貴雄